コーチングに携わって22年。長い年月の中で数多くの人の人生に寄り添ってきたが、先日、とびきり嬉しい瞬間があった。
クライアントのMさん、53歳。思えば5年前、月2回の対話が始まりだった。日常の仕事、副業、そして2年間の海外勤務の間も学びの歩みを止めず、時には立ち止まりながらも確実に前へと進んできた。その軌跡をそばで見守り、言葉を紡ぎ出し、計画を実行へつなげる場に立ち会えたことは、僕にとっても大きな喜びだ。
そして今、Mさんは9月から自らの意思で、二度目の海外挑戦へと舵を切る。さらに60歳以後を見据え、未来の人生設計を描く姿は、力強くもあり胸を熱くさせる。
振り返れば、成長したのはMさんだけではない。ともに伴走した時間は、僕自身にとってもかけがえのない学びの航海だった。コーチングとは、相手を導くものではなく、互いに新しい景色を見せ合う旅路なのだと改めて実感している。